ここ数年、毎年訪れている北海道の夕張!道産子なので里帰りした際には道内のあちらこちらを巡るのですが、なかでも夕張は特にオススメのスポットです。
今回は仕事で初めて夕張を訪れた際に見学させてもらった「旧北炭清水沢火力発電所」についてご紹介します!
「旧北炭清水沢火力発電所」とは?
夕張と炭鉱は切っても切れない関係。旧北炭清水沢火力発電所は、大正15年から約65年間にわたり、空知全域の北炭系炭鉱に電気を送り続け、炭鉱の重要拠点として活躍してきた施設です。
ですが、石炭の時代は徐々に終わりへと向かっていき、平成4年に周辺の炭鉱が閉山されることとなり、旧北炭清水沢火力発電所もその役目を終えました。
その後は、現在の所有企業である東亜建材工業株式会社(以下、東亜建材)の工場・作業用地として使用されることになり、同時に解体が進められていきました。
4分の3ほど進んでいた施設の解体工事が一時停止となった背景は、2011年に学生たちが中心となった現代アートイベント「夕張清水沢アートプロジェクト」でメインの会場として使用されたことがきっかけでした。
このイベントで東亜建材の方が心を動かされ、地域を支えてきた産業への誇りと尊敬の念を象徴する空間として、翌年の2012年から、アートの力で炭鉱の記憶を掘り起こすことを目的とした公開事業「清水沢アートパワープラント」が始動したのです。
老朽化する建物の補修維持を懸命に行ってくれる東亜建材さんや、安全にガイドしてくれるこのプロジェクトのおかげで、現在では手続きさえすれば一般の人でも安心して見学することができるようになったのです!
旧北炭清水沢火力発電所を見学しよう!
さっそく、旧北炭清水沢火力発電所の内部へと出かけましょう!見学の手順と合わせて紹介していきます!(※筆者が訪れた2018年の時のものを参考にしています)
①まずは事前予約を!
旧北炭清水沢火力発電所の内部見学には、事前の予約が必須です!
詳しい予約方法や最新情報については、清水沢プロジェクトのホームページをご確認ください。予約方法以外にも、注意事項やコースの詳細なども確認できるので、チェックしておくことをおすすめします♪
②当日は見学前に同意書にサインを!
予約した当日の日を迎えたら、まず受付場所である清水沢コミュニティゲートに行きます!
ここでガイドさんから注意事項の説明を聞きます。老朽化した施設の内部へとお邪魔させてもらうので、ガラス破片や瓦礫などが散乱していて危険であることや立入禁止場所、指定した通路の通行のみなど、見学時の注意事項を教えて頂き、同意書に署名します。
サインを終えたら、ここからガイドさんの車で工場敷地内へと向かい、無料貸出のヘルメットを装着して、いよいよ旧発電所の内部へと向かいます!
③入場は必ずガイドさんと一緒に!
旧北炭清水沢火力発電所の内部へはガイドさんと一緒に入ります!
見学コースや撮影コースなど、どのコースを選んでも、まず始めはガイドさんによる施設内の説明や旧発電所施設に関する歴史についてレクチャーしてもらいます。ガイドさんと共に見学可能エリアを一通りまわり、ポイントとなる点や見どころを教えてもらったのちに、自由に見学・撮影のスタートです!
産業遺産「旧北炭清水沢火力発電所」の内部を巡ろう!
いよいよ気になる内部について、ご紹介していきます!まずは1階から!
1階には配電盤室があり、当時使われていた機械がそのまま残されており、現在の有名な企業の古い名称やロゴを見ることができます。
他にも、大正時代に導入された25トンクレーンや、はげかかったコンクリートの壁から当時の建築でよく使用された煉瓦がを見ることができ、歴史ある建造物としての楽しみにも触れられます。
2階や地下では、当時の現場で使われていた作業台やスイッチ、高圧線を引いていた跡や山積みになった石炭の灰などが見ることができ、工場好きや機械好きの方にもオススメです。
飛び散ったガラスや荒んだ天井、錆びた機材、苔や植物に覆われていくコンクリートなどは、廃墟好きの方やコスプレーヤーさんの撮影場所としても人気とのこと。
産業遺産として見学できるのはもちろんのこと、それぞれの感性で楽しむこともでき、今日に至るまでの歴史や背景を理解した上であれば様々なニーズにこたえてくれるので、幅広い層の人にオススメですよ♪
おわりに
清水沢プロジェクトと現在の所有企業である東亜建材さんの協力により、一般人でも見学可能になった「旧北炭清水沢火力発電所」のご紹介はいかがだったでしょうか?
筆者は旧北炭清水沢火力発電所の歴史も背景も全く知らず、その外観に強く魅かれて訪れたのですが、ガイドさんにたくさんのことを教えて頂き、とっても勉強になりました!
これをきっかけにすっかり夕張の町全体や炭鉱に関心が出て、今でも北海道を訪れた際には足を運んでいます!様々な観点から楽しめるスポットなので、機会があればぜひ訪れてみて下さいね♪