北海道のえりも町庶野地区から広尾町を結ぶ「黄金道路」をランしてきました!
夏の北海道取材2021で訪れたアポイ岳登山後に通った道で、その時から『いつか走ってみたい!』と思っていた憧れのコース♪
今回は黄金道路の紹介はもちろんのこと、完走を目指すにあたっての注意点やポイントなどについてご紹介していきます(^^)/
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tripnote.jp※上記記事は筆者がトラベルライターとして活動しているトリップノートで執筆したものです。
「黄金道路」とは?
黄金道路は、北海道のえりも町庶野地区から広尾町を結ぶ全長28kmの道路です。
国道336号線にあたるこのルートは約33.5kmにわたり断崖絶壁が続き、切り立った岸壁沿いに道路が建設されています。
道路ができる前は四季を問わずに石が崩れ、冬には雪崩が多発するという危険な場所で、黄金道路の工事は昭和2年(1927)から始まりました。
トンネルと海岸の埋め立てや、崖を削るなどの難工事がつづき、完成までには7年もの時を費やし、昭和9年(1934年)にようやく日高と十勝を結ぶ海岸ルートが誕生しましました。
これまで長い間この区間は迂回路に頼らざるを得ませんでしたが、黄金道路の完成により、日高と十勝をスムーズに行き来することが可能になり、交通の便が格段に便利になりました。
ちなみに「黄金道路」という名前は通称で、竣工当時の名前は日勝海岸道路でした。
ですが、難工事続きということもあり、「まるで黄金を敷き詰められるほど、建設に莫大な費用が掛かった道路」として現在の名称に至ります。
黄金道路ランの前に知っておきたい2つのこと
今回はそんな歴史ある黄金道路をランで駆け抜けたいと思っているのですが、走り出す前に知っておきたいポイントについて2つご紹介します!
①悪天候時には通行止めも!
1つ目は、悪天候時には大雨による落石や高波の危険があるため、通行止めになることがあるということ。
筆者がランした際も高波で、トンネル横の覆道が一部通行止めになっていました(>_<)
すぐ近くには、年間で風速10m毎秒の風が吹く日が260日を超える国内有数の強風地域として知られる「襟裳岬」もあるくらいなので、天候には十分注意しましょう!
\日高側の黄金道路起点からすぐ!風極の地「襟裳岬」の記事はコチラ▼/
②9つのトンネルは要注意!
そして2つ目は、黄金道路ラン完走達成のキーポイントにもなる9つのトンネルについて。
黄金道路は海岸沿いにトンネルと覆道が連続して登場するのが特徴なのですが、注意しなくてはいけないのが日高側に集中している9個ものトンネルです。
その中には北海道一長い道路トンネルの「えりも黄金トンネル」も含まれていて、その延長は4.941m!
またこのトンネル以外にも延長2kmをこえるトンネルが2つあり、通行に注意が必要です。
トンネル内での事故防止のため、反射リストバンドや反射ベストの着用、更に一部暗くて走りづらいところもあるのでヘッドライトなどもあった方が安全です。
とにかくこのトンネルの連続が難関なので、十分に対策・注意して走行して下さいね!
憧れの黄金道路ラン!コースの様子や走ってみての感想は?
というわけで、憧れの黄金道路ランにやってきましたー!
道路の全長は28kmということなので、これまでの縦走や沿線ランなどの経験から平地を28km走れればOKと思っていたのですが、それが大きな間違いでした!!
結果から言いますと、実は完走できませんでした(>_<)
完走達成を阻んだのは、やはりトンネルの存在!コースの下調べ不足で、実はさんざんお伝えしてきたトンネルの対策を全くせずに挑んでしまいました。。
日高側の黄金道路のスタート地点で反射リストバンドや反射ベストの存在を知るも、時すでに遅し。
少し不安に思いましたが、『なんとかなるだろう!』と安易に考えて続行!
フンコツトンネル(延長125m)、白浜トンネル(延長622m)、咲梅トンネル(延長473m)までは、トンネル横の道や覆道が通行可能だったこともあり、なんなく走れました。
ですが、北海道一長い道路トンネル「えりも黄金トンネル(延長4,941m)」からは、高波のせいもあってか覆道や横の道が通行止めになっていて、トンネルを通過せざる得なくなりました( ;∀;)
こんなに長い距離のトンネルをランで通行するのは初めての経験で、そのなんともいえない「怖さ」にすっかりやられてしまいました(>_<)
暗さ、じめじめとした感じ、ベチャベチャの足元、ファンの音、車やバイクの爆音、そして、どうしても生理的に合わない空気のようなもの…
トンネルの中央部に行けば行くほど、その感じは強くなっていきます…
ただただ一心不乱に走り、なんとかえりも黄金トンネルは走破!
外の明るさのありがたみを感じながら海沿いをしばらく走っていきます。
そして5つめの荒磯トンネル(延長361m)を抜け、6つ目の目黒トンネル(延長1,876m)をやっとの思いで通過!
すぐ出口が見える短めのトンネルは問題ないのですが、2km近くなってくると体の拒絶反応が半端ありませんでしたΣ(゚Д゚)
目黒トンネルを抜けると、少し青空が見え、砂浜にも降りていけ、しばしの癒しタイムに(*´▽`*)
そして、ちょうどこの辺りで日高のえりも町を抜けて十勝の広尾町へ♪
日勝橋を渡ってほどなくすると、日高方面を背にした道路の左側に「道路開削記念碑」「全通記念碑」「殉職者慰霊碑」が建っていました。
開通を目前に控えた昭和9年3月の大きな災害については後ほど知りました。
いまこの道路を通行させてもらえていることにただただ感謝で、手を合わさせてもらいました。
そして、その先には延長2,438mの新宝浜トンネル。
9つあるトンネルのなかで2番目に長く、恐る恐る走り出してみたものの、1kmちょっと進んだところで『やっぱ、もう無理だ!』と踵を返し、一目散に入口までダッシュ!
もうこれ以上トンネルは無理ということなり、ここで黄金道路ランの完走は早々に諦めることにしました(T_T)
そこからは伴走車を待ち、新宝浜トンネルを含む3つのトンネルは全て車で運んでもらうことに。
トンネルの連続を終えると、次は黄金道路のビュースポットとして知られる覆道の連続に!
トンネルと違って覆道は外の景色も見えて明るいので、気を取り直し、ここから再びランを再開(*´▽`*)
ランの速度では難しいですが、車で走っていると覆道の合間から覗く素晴らしい海岸線が、まるで映画のコマ落としのように見えるスポットで、景色を楽しまれている方が多かったです(^^)
先ほどのトンネル続きの道と違って、なんとも気持ちのいい道!!
いくつもの覆道を越えて走っていくと、続いては黄金道路の人気スポット「フンベの滝」が見えてきます♪
そして、再び海岸沿いを走っていくと、ほどなくして十勝側の黄金道路の起点に到着です!
途中からトンネルを車で通過したため完走とは言えませんが、なんとかゴール(^_^;)
多分この先も日高側のあのトンネルの連続を走れるようになるとは思えないので、次回は目標とするコースを変更して、再チャレンジしにまた訪れたいと思います(^^)/
おわりに
北海道の国道336号の、日高管内庶野~十勝管内広尾を結ぶ「黄金道路」のランの紹介はいかがだったでしょうか?
通行に注意が必要なポイントはいくつかあるものの、海岸沿いと断崖絶壁を貫く荒々しくも勇ましい黄金道路の景観は壮大で、ぜひランで直にその感動を感じてみてほしいコースです!
今回は完走には至りませんでしたが、次回は十勝管内のモイケシ第一覆道をスタートとして、黄金道路のビュースポットを走り抜けるコースでまたリベンジしたいと思います!!
再び黄金道路を走れる日が、今から待ち遠しいです(^^)
※ご紹介している記事内容は取材当時のものです。最新の情報は公式ホームページや該当スポットに直接お問い合わせください。
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